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第43回 日本認知症学会学術集会 ランチョンセミナー09
抗Aβ抗体を用いた
アルツハイマー病診療におけるバイオマーカーの選択■座長:三村 將 先生
慶應義塾大学 名誉教授 慶應義塾大学予防医療センター 特任教授
■演者:井原 涼子 先生
東京都健康長寿医療センター 脳神経内科 医長
■日時:2024年 11月 22日(金) 12:00~ 12:50
■会場:第3会場 ビッグパレットふくしま 1F コンベンションホールAこちらの講演は終了いたしました。
特 長
日本初
β-アミロイド1-42およびβ-アミロイド1-40の2項目は体外診断用医薬品として日本で初の承認品。
測定精度
・ルミパルスシステムによる全自動測定に対応
・アミロイドPET検査との高い判定一致率(βアミロイド1-42/1-40比)抗体医薬品(レカネマブ※1、ドナネマブ※2)の投薬前検査:
"効能又は効果としてアルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制を有する医薬品"の投薬前検査に使用可能
※1 製造販売元(輸入):エーザイ株式会社、販売提携:バイオジェン・ジャパン株式会社
※2 製造販売元:日本イーラーイリリー株式会社体外診断用医薬品(IVD)製品情報
品名 使用目的 判定法 重要な基本的注意 ルミパルス
β-アミロイド1-42脳脊髄液中のβ-アミロイド1-42の測定
(脳内アミロイドβの蓄積状態把握の補助)測定結果の判定は、 β-アミロイド1-42濃度と、β-アミロイド1-40濃度から算出された β-アミロイド1-42/1-40比で行う 認知症の診断に関連する十分な知識及び経験を有する医師が、検査の原理及び結果の 解釈を十分に理解した上で、関連学会等の適正使用指針に従って使用すること ルミパルス
β-アミロイド1-40脳脊髄液中のβ-アミロイド1-40の測定
(脳内アミロイドβの蓄積状態把握の補助)品名 使用目的 ルミパルス
リン酸化タウ181脳脊髄液中の181位リン酸化タウ蛋白の測定
(アルツハイマー型認知症及び軽度認知機能障害(MCI)に限る)ルミパルス
総タウヒト脳脊髄液中のタウ蛋白の測定
(クロイツフェルト・ヤコブ病及びアルツハイマー型認知症の診断補助)認知症関連 脳脊髄液検査 バイオマーカーと対象疾患
検査項目 体外診断用医薬品の
使用目的としての対象疾患保険収載上の
対象疾患と算定方法保険点数 アミロイド
β42/40比脳内アミロイドβの蓄積状態把握の補助
(疾患名の記載なし)効能又は効果としてアルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制を有する医薬品に係る厚生労働省の定める最適使用推進ガイドラインに沿って、アルツハイマー病による軽度認知障害又は軽度の認知症が疑われる患者等に対し、効能又は効果としてアルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制を有する医薬品の投与の要否を判断する目的でアミロイドβ病理を示唆する所見を確認するため、CLEIA法により、脳脊髄液中のβ‒アミロイド1‒42及びβ‒アミロイド1‒40を同時に測定した場合、患者1人につき1回に限り算定する。ただし、効能又は効果としてアルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制を有する医薬品の投与中止後に初回投与から18か月を超えて再開する場合は、さらに1回に限り算定できる。 1282点 タウ蛋白 クロイツフェルト・ヤコブ病及び
アルツハイマー型認知症の診断補助に用いるタウ蛋白(髄液)は、クロイツフェルト・ヤコブ病の診断を目的に、1患者につき1回に限り算定する 622点
(※CJDのみ)リン酸化
タウ蛋白アルツハイマー型認知症及び
軽度認知機能障害(MCI)に限るリン酸化タウ蛋白(髄液)は、認知症の診断を目的に、1患者につき1回に限り算定する 641点 アミロイドβ42/40比(髄液)に関する留意事項
- 抗体医薬品(レカネマブ、ドナネマブ)の最適使用推進ガイドラインに沿って、抗体医薬品の投与の要否を判断する目的に対して1人1回限り算定。
- 抗体医薬品の投与中止後に初回投与から18か月を超えて再開する場合は、さらに1回限り算定できる。
- リン酸化タウ蛋白(髄液)と同時測定の場合は主たるもののみを算定。
・令和6年度診療報酬改定
・「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」
(令和6年3月5日保医発0305第4号)の一部改正について再現性試験
β-アミロイド1-42について、測定システムが異なる富士レビオ製品(海外含む)の3試薬を用いて再現性を比較
システム 測定原理 低値検体 中間値検体 高値検体 アッセイ内再現性 Lumipulse CLEIA 2.4% 2.4% 1.4% INNO-Bia Alzbio3 BIA 12.0% 13.3% 9.4% INNOTEST ELISA 3.3% 3.6% 3.1% アッセイ間再現性 Lumipulse CLEIA 10.1% 7.1% 4.0% INNO-Bia Alzbio3 BIA 11.8% 11.5% 8.8% INNOTEST ELISA 14.6% 9.8% 7.8% ルミパルスはアッセイ内、アッセイ間再現性ともに良好
Kollhoff, Alexander L., Jennifer C. Howell, and William T. Hu. “Automation vs. experience: Measuring Alzheimerʼs beta-amyloid 1–42 peptide in the CSF.” Frontiers in aging neuroscience 10 (2018): 253.より引用作表
ルミパルス®認知症関連項目 臨床性能試験の成績
アミロイドPET検査陽性被験者は、アミロイドPET検査陰性被験者に対して、Aβ42に関して統計的に有意に低い濃度を示し、またt-Tauおよびp-Tau181では統計的に有意に高い濃度を示した。
Aβ40濃度については統計的に有意な差は観察されなかった。Aβ42/Aβ40比は、単一のバイオマーカーに比べて、アミロイドPET検査陽性被験者と陰性被験者の間の差異をより明確に分離した。Nojima, Hisashi, et al. "Clinical utility of cerebrospinal fluid biomarkers measured by LUMIPULSE® system."
Annals of Clinical and Translational Neurology 9.12 (2022): 1898-1909.解析の結果、Aβ42/Aβ40(カットオフ:0.067)の場合、アミロイドPET検査との陽性一致率(PPA):81.9%、陰性一致率(NPA):81.9%、全体一致率(OPA):81.9%となり、各単一のバイオマーカーを用いた場合と比較して、一致率が向上した。
Nojima, Hisashi, et al. "Clinical utility of cerebrospinal fluid biomarkers measured by LUMIPULSE® system."
Annals of Clinical and Translational Neurology 9.12 (2022): 1898-1909.アルツハイマー病バイオマーカーの経時変化
- CSF中β-アミロイドはアミロイドPETに先行して変動
- CSF中タウはアミロイドPETの後、画像検査(MRI, FDG-PET等)の 所見の前に変動
- 画像検査の所見や認知機能障害はCSF中β-アミロイド、タウの変動後に出現
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試薬一覧
ルミパルス® G1200
ルミパルス® G600II用試薬神経疾患
項目 CODE No. 品名 包装規格 貯法 測定対象 β-アミロイド 231524 ルミパルス β−アミロイド1-40
免疫反応カートリッジ14テスト×3 2~10℃ 脳脊髄液 260241 ルミパルス β−アミロイド1-40
β−アミロイド1-40キャリブレータセット3濃度×2
(1.0mL×各2)230336 ルミパルス β−アミロイド1-42
免疫反応カートリッジ14テスト×3 脳脊髄液 260258 ルミパルス β−アミロイド1-42
β−アミロイド1-42キャリブレータセット3濃度×2
(1.0mL×各2)260265 LPコントロール・
β−アミロイド3濃度×2
(1.0mL×各2)リン酸化タウ蛋白 230350 ルミパルス リン酸化タウ181
免疫反応カートリッジ14テスト×3 2~10℃ 脳脊髄液 260227 ルミパルス リン酸化タウ181
標準リン酸化タウ181溶液3濃度×1
(1.5mL×各1)260234 LPコントロール・
リン酸化タウ1813濃度×1
(1.5mL×各1)タウ蛋白 230312 ルミパルス 総タウ
免疫反応カートリッジ14テスト×3 2~10℃ 脳脊髄液 260203 ルミパルス 総タウ
総タウキャリブレータセット3濃度×2
(1.0mL×各2)260210 LPコントロール・総タウ 3濃度×2
(1.0mL×各2)