アルツハイマー病などの神経疾患バイオマーカーをラインナップ
文献紹介 ‐神経疾患領域 vol.1‐

Sebastian P et al.
Plasma phospho-tau217 for Alzheimer’s disease
diagnosis in primary and secondary care using a fully
automated platform | Nature Medicine
*外部サイトに遷移します
- 掲載雑誌:nature medicine
- タイトル:Plasma phospho-tau217 for Alzheimer's disease diagnosis in primary and secondary care using a fully automated platform
- 掲載日 :2025年4月9日
- 関連製品:※Lumipulse G pTau 217(RUO)
本文献のポイント
- 独立した5つのコホート(4つの専門施設、1つの初期診療施設)において、統一されたカットオフ値を使用して、AUC:0.93~0.96の性能を示した (1cut off:>0.27pg/mL)
- セカンダリケア(専門施設)では、精度は89〜91%、PPV:89〜95%、NPV:77〜90%(1Cut off)
- プライマリケア(初期診療施設)では、精度は85%、PPV:82%、NPV:88%(1Cut off)
- 80≥歳の参加者では精度が低下する傾向がみられた(83%)(1Cut off)
- 慢性腎臓病、糖尿病、性別、APOE遺伝子型、認知機能レベルの影響を受けなかった(慢性腎臓病の影響については、p-tau217単独では、有意差がみられた)
- 2カットオフを使用すると、セカンダリケアとプライマリケアで精度が92〜94%に向上したが、中間層(判定保留層)の12〜17%が除外された。(2cut off upper cut off:>0.34 0.27pg/mL、lower cut off:<0.22pg/mL)
- 血漿p-tau217/Aβ42比を使用しても精度は変わらないが、中間層が減少した。(≤10%)
結論
血漿p-tau217を測定するための全自動アッセイ(Lumipulse)は、事前に確立されたカットオフを使用し、さまざまな専門施設および初期診療施設におけるAD病理の検出において高い精度を示した。これらの有望な知見は、本技術を様々な環境で追加検証することで、正確なAD診断のための日常的な臨床診療に血液バイオマーカー(BBM)の採用を促進する可能性がある。












ルミパルス® β−アミロイド1-40
ルミパルス® β−アミロイド1-42

日本初
β-アミロイド1-42およびβ-アミロイド1-40の2項目は体外診断用医薬品として日本で初の承認品。

測定精度
・ルミパルスシステムによる全自動測定に対応
・アミロイドPET検査との高い判定一致率(βアミロイド1-42/1-40比)

抗体医薬品(レカネマブ ※1、ドナネマブ※2)の投薬前検査
"効能又は効果としてアルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制を有する医薬品"の投薬前検査に使用可能
※1
製造販売元(輸入):エーザイ株式会社、販売提携:バイオジェン・ジャパン株式会社
※2 製造販売元:日本イーライリリー株式会社
ルミパルス β-アミロイド1-42
● 使用目的
脳脊髄液中のβ-アミロイド1-42の測定(脳内アミロイドβの蓄積状態把握の補助)
● 判定法
測定結果の判定は、 β-アミロイド1-42濃度と、β-アミロイド1-40濃度から算出された β-アミロイド1-42/1-40比で行う
● 重要な基本的注意
認知症の診断に関連する十分な知識及び経験を有する医師が、検査の原理及び結果の 解釈を十分に理解した上で、関連学会等の適正使用指針に従って使用すること
ルミパルス β-アミロイド1-40
● 使用目的
脳脊髄液中のβ-アミロイド1-40の測定(脳内アミロイドβの蓄積状態把握の補助)
ルミパルス リン酸化タウ181
● 使用目的
脳脊髄液中の181位リン酸化タウ蛋白の測定(アルツハイマー型認知症及び軽度認知機能障害(MCI)に限る)
ルミパルス 総タウ
● 使用目的
ヒト脳脊髄液中のタウ蛋白の測定(クロイツフェルト・ヤコブ病及びアルツハイマー型認知症の診断補助)
アミロイド β42/40比
● 体外診断用医薬品の使用目的としての対象疾患
脳内アミロイドβの蓄積状態把握の補助(疾患名の記載なし)
● 保険収載上の対象疾患と算定方法
効能又は効果としてアルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制を有する医薬品に係る厚生労働省の定める最適使用推進ガイドラインに沿って、アルツハイマー病による軽度認知障害又は軽度の認知症が疑われる患者等に対し、効能又は効果としてアルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制を有する医薬品の投与の要否を判断する目的でアミロイドβ病理を示唆する所見を確認するため、CLEIA法により、脳脊髄液中のβ‒アミロイド1‒42及びβ‒アミロイド1‒40を同時に測定した場合、患者1人につき1回に限り算定する。ただし、効能又は効果としてアルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制を有する医薬品の投与中止後に初回投与から18か月を超えて再開する場合は、さらに1回に限り算定できる。
● 保険点数
1282点
タウ蛋白
● 体外診断用医薬品の使用目的としての対象疾患
クロイツフェルト・ヤコブ病及びアルツハイマー型認知症の診断補助に用いる
● 保険収載上の対象疾患と算定方法
タウ蛋白(髄液)は、クロイツフェルト・ヤコブ病の診断を目的に、1患者につき1回に限り算定する
● 保険点数
622点(※CJDのみ)
リン酸化タウ蛋白
● 体外診断用医薬品の使用目的としての対象疾患
アルツハイマー型認知症及び軽度認知機能障害(MCI)に限る
● 保険収載上の対象疾患と算定方法
リン酸化タウ蛋白(髄液)は、認知症の診断を目的に、1患者につき1回に限り算定する
● 保険点数
641点
アミロイドβ42/40比(髄液)に関する留意事項
- 抗体医薬品(レカネマブ、ドナネマブ)の最適使用推進ガイドラインに沿って、抗体医薬品の投与の要否を判断する目的に対して1人1回限り算定。
- 抗体医薬品の投与中止後に初回投与から18か月を超えて再開する場合は、さらに1回限り算定できる。
- リン酸化タウ蛋白(髄液)と同時測定の場合は主たるもののみを算定。
令和6年度診療報酬改定
・「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」
(令和6年3月5日保医発0305第4号)の一部改正について
β-アミロイド1-42について、測定システムが異なる富士レビオ製品(海外含む)の3試薬を用いて再現性を比較

ルミパルスはアッセイ内、アッセイ間再現性ともに良好
Kollhoff, Alexander L., Jennifer C. Howell, and William T.
Hu. “Automation vs. experience: Measuring Alzheimerʼs
beta-amyloid 1–42 peptide in the CSF. ”
Frontiers in aging neuroscience 10 (2018): 253.より引用作表





