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    第65回 日本神経学会学術大会 ランチョンセミナー09

    バイオマーカーを用いた
    ADとAD類縁疾患(SNAP)の診断

    ■座長:秋山 治彦 先生
        横浜市立脳卒中・神経脊椎センター 臨床研究部 部長
    ■演者:山田 正仁 先生
        国家公務員共済組合連合会 九段坂病院 院長
        東京医科歯科大学 特命教授
        金沢大学 名誉教授
    ■日時:2024年 5月 29日(水) 12:05~ 13:05
    ■会場:第12会場 東京国際フォーラム ガラス棟 4F G409

    特 長

    日本初

    β-アミロイド1-42およびβ-アミロイド1-40の2項目は体外診断用医薬品として日本で初の承認品。

    測定精度

    ・ルミパルスシステムによる全自動測定に対応
    ・アミロイドPET検査との高い判定一致率(βアミロイド1-42/1-40比)

    抗体医薬品投薬前検査(βアミロイド1-42/1-40比)

    ※レケンビ点滴静注(レカネマブ)の投薬前検査に使用可能(保険適用)
    ※製造販売元(輸入):エーザイ株式会社、販売提携:バイオジェン・ジャパン株式会社

    体外診断用医薬品(IVD)製品情報

    品名 使用目的 判定法 重要な基本的注意
    ルミパルス
    β-アミロイド1-42
    脳脊髄液中のβ-アミロイド1-42の測定
    (脳内アミロイドβの蓄積状態把握の補助)
    測定結果の判定は、 β-アミロイド1-42濃度と、β-アミロイド1-40濃度から算出された β-アミロイド1-42/1-40比で行う 認知症の診断に関連する十分な知識及び経験を有する医師が、検査の原理及び結果の 解釈を十分に理解した上で、関連学会等の適正使用指針に従って使用すること
    ルミパルス
    β-アミロイド1-40
    脳脊髄液中のβ-アミロイド1-40の測定
    (脳内アミロイドβの蓄積状態把握の補助)
    品名 使用目的
    ルミパルス
    リン酸化タウ181
    脳脊髄液中の181位リン酸化タウ蛋白の測定
    (アルツハイマー型認知症及び軽度認知機能障害(MCI)に限る)
    ルミパルス
    総タウ
    ヒト脳脊髄液中のタウ蛋白の測定
    (クロイツフェルト・ヤコブ病及びアルツハイマー型認知症の診断補助)

    認知症関連 脳脊髄液検査 バイオマーカーと対象疾患

    検査項目 体外診断用医薬品の
    使用目的としての対象疾患
    保険収載上の
    対象疾患と算定方法
    保険点数
    アミロイド
    β42/40比
    脳内アミロイドβの蓄積状態把握の補助
    (疾患名の記載なし)
    レカネマブの最適使用推進ガイドラインに沿って、アルツハイマー病による軽度認知障害又は軽度の認知症が疑われる患者等に対し、レカネマブの投与の要否を判断する目的にアミロイドβ病理を示唆する所見を確認するためCLEIA法により、脳脊髄液中のβ-アミロイド1-42及びβ-アミロイド1-40を同時に測定した場合、患者1人につき1回限り算定する。ただし、レカネマブの投与中止後に初回投与から18か月を超えて再開する場合は、さらに1回限り算定できる。 1282点
    タウ蛋白 クロイツフェルト・ヤコブ病及び
    アルツハイマー型認知症の診断補助に用いる
    タウ蛋白(髄液)は、クロイツフェルト・ヤコブ病の診断を目的に、1患者につき1回に限り算定する 622点
    (※CJDのみ)
    リン酸化
    タウ蛋白
    アルツハイマー型認知症及び
    軽度認知機能障害(MCI)に限る
    リン酸化タウ蛋白(髄液)は、認知症の診断を目的に、1患者につき1回に限り算定する 641点

    アミロイドβ42/40比(髄液)に関する留意事項

    • レカネマブの最適使用推進ガイドラインに沿って、レカネマブの投与の要否を判断する目的に対して1人1回限り算定。
    • レカネマブの投与中止後に初回投与から 18 か月を超えて再開する場合は、さらに1回限り算定できる。
    • アミロイドPETとの同時算定は不可。リン酸化タウ蛋白(髄液)と同時測定の場合は主たるもののみを算定。
    • レカネマブの最適使用推進ガイドラインに沿って留意事項に記載のある医師要件および施設要件に該当する医療機関と、その連携している施設で行われた場合に算定できる。

    ・保医発1219第5号 令和5年12月19日 検査料の点数の取扱いについて
    ・令和4年度診療報酬改定

    再現性試験

    β-アミロイド1-42について、測定システムが異なる富士レビオ製品(海外含む)の3試薬を用いて再現性を比較

    システム 測定原理 低値検体 中間値検体 高値検体
    アッセイ内再現性 Lumipulse CLEIA 2.4% 2.4% 1.4%
    INNO-Bia Alzbio3 BIA 12.0% 13.3% 9.4%
    INNOTEST ELISA 3.3% 3.6% 3.1%
    アッセイ内再現性 Lumipulse CLEIA 10.1% 7.1% 4.0%
    INNO-Bia Alzbio3 BIA 11.8% 11.5% 8.8%
    INNOTEST ELISA 14.6% 9.8% 7.8%

    ルミパルスはアッセイ内、アッセイ間再現性ともに良好

    Kollhoff, Alexander L., Jennifer C. Howell, and William T. Hu. “Automation vs. experience: Measuring Alzheimerʼs beta-amyloid 1–42 peptide in the CSF.” Frontiers in aging neuroscience 10 (2018): 253.より引用作表

    アルツハイマー病バイオマーカーの経時変化

    • CSF中β-アミロイドはアミロイドPETに先行して変動
    • CSF中タウはアミロイドPETの後、画像検査(MRI, FDG-PET等)の 所見の前に変動
    • 画像検査の所見や認知機能障害はCSF中β-アミロイド、タウの変動後に出現