研究業績集

学会発表2012年

タイトル

NSCLC細胞株HCC4006はCisplatin耐性化に伴って誘導された上皮間葉移行によってGefitinib耐性をも獲得する。

発表者

黒川真季1),伊勢伸之,東山繁樹1,2)

1) Department of Biochemistry and Molecular Genetics, Ehime University Graduate School of Medicine
2) Department of Cell Proliferation and Tumor Regulation

学会名

第85回日本生化学会大会

内容

Gefitinib等分子標的薬の適用は、現時点において標準治療とされているCisplatin等の細胞障害性抗がん剤に非応答になった癌が対象とされる。Cisplatinの耐性機構として上皮間葉移行(EMT)が関与することが報告される一方、近年Gefitinib耐性機構においてもEMTの関与が報告されるようになってきた。これらのことからCisplatinに対する耐性化とGefitinibに対する耐性化獲得機構に共通のメカニズムが存在する可能性が示唆される。本研究では、Cisplatin耐性細胞を用いたモデル実験系を構築し、Cisplatin への耐性獲得に伴って誘導されたEMTによってGefitinibに対する耐性をも獲得し得る可能性が示された。

タイトル

関節リウマチの早期診断を目指した新規hPAD4測定法及びhPAD4自己抗体検出法の確立

発表者

半田節子1)、加賀美弥生1)、内田好昭笠原靖、丸山直記1)、石神昭人1)

1) 東京都健康長寿医療センター研究所・分子老化制御研究

学会名

第85回日本生化学会大会

内容

我々は、ヒト血液中のPeptidylargine deiminase 4(hPAD4)の濃度測定、及びhPAD4自己抗体検出系をELISA法にて確立した。本法を用いてRA患者32例、健常者20例の血中hPAD4濃度、及び自己抗体の有無を調べたところ、RA患者ではhPAD4高値を示すものがあったのと同時に0値を示すものが存在した。検討の結果、0値を示したほとんどの患者でhPAD4自己抗体が陽性であることが明らかとなった。一方、健常者ではRA患者に比べてhPAD4が低値であり、0値を示す者もなかった。以上の結果から、RAの発症・進展へのhPAD4の何らかの関与が示唆されるとともに、今回確立したhPAD4測定法、及びhPAD4自己抗体検出法のRA診断への応用が期待される。